予算0円の擬似HEMS

低炭素社会へ向けた施策の一つとして「HEMS」(ヘムス)や「BEMS」(ベムス)の採用が推進されています。何のことかというと「Home(Building) enagy management system」を略したもので、家庭内(商用ビル内)のエネルギーを一元的に管理して見える化するシステムのことをいいます。家電製品の使用量や太陽光発電などの創電量、蓄電池への充電量などエネルギー全てを管理してくれます。こうすることで、どの家電製品のエネルギー使用量が多いのか(無駄が多いのか)、発電量と使用量を比較して今電気を買っている(売っている)のか、などが分かり省エネルギー対策に役に立ちます。
ヘムスを採用するには管理モニターの用意と分電盤に計測器を取り付ける必要があり、当然お金がかかります。電気製品メーカーや通信事業者などサービス提供しているところは様々で、「どこまで(正確に)見える化するのか」で予算も大分変わってきます。でも、初期費用も継続費用もかからない擬似HEMSのようなサービスも実はあるのです。

東京電力が無料でサービスを提供している「でんき家計簿」というものがあります。(東京電力管内で実際に電気の契約をしていないと利用できません)他の電力会社でも一部同様のサービスがあるようです。

使用量と料金をグラフで見る

簡単な会員登録をするだけで、過去2年間の電気使用量の比較や同じ契約容量の家庭の平均使用量との比較ができます。毎月の請求明細書を用意して記載の「お客様コード」や住所の入力だけです。

ちなみに、我が家の電気使用量の比較グラフはこんな感じです。

電力使用量比較、2年間
過去2年間の電気使用量の比較です

2013~2014年の1~12月までの電気使用量金の比較になっています。左の水色の棒グラフが2013年、右の青色の棒グラフが2014年を表しています。赤の折れ線グラフは、同じ電気容量の家庭の平均値となっています。特に意識はしていませんでしたが、一昨年より昨年の方が省エネな暮らしをしていたようです(笑)。12月だけ昨年より使用量が伸びているのは原油高で灯油代がバカバカしかったので、ほぼエアコンで暖を取っていたためです。
一般的な使用量に比べても随分と省エネ生活をしていたんですね。我が家は築10数年で断熱性能はとても悪いのですが、それでもこの様な結果になるとは驚きです。省エネ基準を満たす断熱性能であったら、恐らくこの半分以下になるのではないかと思います。
この電気使用量のグラフ以外にも、電気料金のグラフ、電気使用量と料金の比較表、なども見ることができます。

使用量をみんなと比べる

でんき家計簿にはより詳細に比較するプログラムが用意されています。こちらを利用するのも簡単で、家の大きさや暖房・給湯に何を使用するのかなどをリストから選び登録するだけです。登録するとこんな感じで比較されたグラフが見れます。

電気使用量、比較
1年間の電気使用量を似た条件の一般値と省エネ上手な家庭との比較です

マウスオーバーするとその月の数値が上記のように表示されます。オレンジ色が我が家で、緑色が省エネ住宅の値になるのですが1~4月までは我が家の方が電気使用量が低くなっています。前述したとおり、昨年末以前は灯油のファンヒーターで暖をとっていたので「電気」の使用量は少ないだけと思われます。
このカテゴリーのトップページには年間のトータル消費量で省エネ上手な家庭より何%消費が上回っているか、ということも教えてくれます。TIPSとして省エネ術がとてもたくさん用意されています。ほとんどが簡単に出来るものばかりで、実践しているかどうかを一つ一つ登録することもできます。また、他にどのくらいの人が登録しているのかも分かります。

ピッタリな省エネ術を知る

このカテゴリーでは「電気診断」と「エコアドバイス」の二つのメニューに分かれています。
「電気診断」では、簡単な質問に答えることで複数ある電気料金メニューに変更した場合に得をするのか、損をするのかを数字で教えてくれます。
「エコアドバイス」では、省エネ術のTIPSと同様のものです。例えば下のような感じです。

省エネ術、TIPS
省エネ術のTIPS一覧ページです

それぞれクリックすればさらに詳細な内容が分かるようになっています。
多くの人が実践していること、少数の人しか実践していないこと、なども分かります。特に工事やお金がかかるものほど、やはり実践している人は少ないものの、多くの人が実践していることは自分もやらないとなぁと思いますよね。

家電アシスト

最後に「家電アシスト」のカテゴリーについて。こちらは、使用している家電製品を登録して買換え時期の検討をしたり、保障期間の有効期限などを確認するものです。スマートフォンからも閲覧が可能で、アラーム機能も設定ができるようです。
登録方法は、「家電カテゴリー」からキッチン関連や生活家電など、機器のメーカー、型番(代表的なものはリストに登録されているようです)を選択するだけです。より詳細に登録する場合には、保証書を用意すると早そうです。
実際に登録しようかなぁ、と思ったのですが・・・結構面倒くさいですね(笑)。今使っている家電製品をメーカーと型番から調べるのは一仕事です。古い家電製品だと購入時期や保障期間など不明なことも多いので、新しい製品を購入したら登録する、というのが現実的な使い方かもしれません。登録一覧画面は以下のような感じです。

でんき家計簿、家電アシスト
家電アシストの登録カテゴリ一覧の画面です

と、本来のヘムスの機能とは異なりますが「電気」というカテゴリーだけに限定すれば、立派に管理できるツールではないでしょうか?実際のヘムスは、太陽光発電などによる創エネと蓄電池による蓄エネもシステムに組み込むようでなければ本領発揮とはいえません。また、オール電化ではなくガスや灯油などの電気以外のエネルギー資源を利用していればやはり「一元管理」とは言えないでしょう。
新築住宅は今後も減少していくなかで、既存住宅に住まう人が如何にして省エネルギーの意識を持ち、実践していけるか。その多くは効果は薄くともリフォームなどでお金をかけない方法が望ましいです。1割の人ではなく、9割の人が実践していける省エネがとても大きな力になると思います。