高性能建材リフォーム、補助金、計算、サンプル

省エネリフォームでもらえる補助金制度(2)

以前記事にした「省エネリフォームでもらえる補助金制度」の続きです。仮想のモデルプランを設定して計算をしてみました。

以下の順に説明していきます。

モデルプラン

まずはモデルプランの平面プランをつくり、各部位の断熱仕様を設定します。
モデルプランの概要は以下の内容にしました。
<モデルプラン概要>

高性能建材リフォーム、補助金、計算、サンプル
高性能建材リフォーム計算用プラン
1F床面積 48.86㎡(14.75坪)
2F床面積 48.86㎡(14.75坪)
延べ床面積 97.72㎡(29.50坪)
天井断熱材 グラスウール10kg/50mm
壁断熱材 グラスウール10kg/50mm
床断熱材 ビーズ法ポリスチレン4号/45mm
開口部 アルミサッシ+複層ガラス

あれこれプランを考えるのは面倒だったので、我が家を忠実に再現してみました(笑)。
断熱仕様は若干違ったかも知れませんが、大体こんな感じです。

計算手順

計算手順は下記の通りです。

  1. 断熱改修前の住宅の熱損失係数Q値(Qa)を計算
  2. 断熱改修前の一次エネルギー消費量(Ea)を計算
  3. 断熱改修前の空調設備一次エネルギー消費量(AEa)を計算
  4. 断熱改修後の住宅の熱損失係数Q値(Qb)を計算
  5. 断熱改修後の一次エネルギー消費量(Eb)を計算
  6. 断熱改修後の空調設備一次エネルギー消費量(AEb)を計算
  7. 一次エネルギー消費削減率(Ⅰ)の算出
  8. 空調設備回収による空調設備一次エネルギー消費量(AEc)を計算
  9. 一次エネルギー消費削減率(Ⅱ)を計算

となります。
記号やら小難しい言葉が出てきていますが、簡単に言うと
「リフォーム前のエアコンの省エネ性能」から「リフォーム後のエアコンの省エネ性能」を引いて、「リフォーム前の一次エネルギー消費量」で割った数字が15%以上になればOKです。
エアコンの省エネ性能というのがミソです。これはどういうことかというと、建物の省エネ(断熱)性能を上げることでエアコンの効率がどのくらい上がるのかを求めているのです。
手順の7で15%以上になればそこで計算は終わりですが、計算結果が15%未満なら高性能エアコンで再計算していいよ!というルールです。
結果としては、エアコンの効率を上げるためのリフォームであり、補助事業制度ということです。

改修前の性能

改修前の建物の熱損失係数Q値(Qa)と一次エネルギー消費量(Ea)を求めます。

改修前の建物の熱損失係数Q値

面積の拾い出しや各部位の熱貫流率の計算は省略して結果のみ表示します。

熱貫流率 面積 温度差係数 貫流熱損失
天井 0.85 48.25 1.0 41.01
外壁 0.88 149.48 1.0 131.54
0.82 48.25 0.7 27.70
ドア 4.65 2.76 1.0 12.83
4.65 22.48 1.0 104.55
合計 347.53

Q値計算の場合は換気による熱損失を考慮します。

貫流熱損失 347.53
換気熱損失 41.04
熱損失合計 388.57

そして床面積で割った値がQ値(Qa)となります。
447.38/97.72=3.98W/(㎡・K)
私の住んでいる熊谷地域のH11年基準値は2.7ですから、届いていません。
※UBや玄関などの土間部分の計算は省略しています
※階間部分については外壁面積に面積加算して計算しています

改修前の建物の一次エネルギー消費量(Ea)

WEBプログラムに実際の設備状況に合わせて設備性能を入力すると

分類 一次エネルギー消費量
暖房 27.7
冷房 2.3
換気 4.1
給湯 24.7
照明 11.6
太陽光発電 0
合計 70.4GJ
基準一次エネ 52GJ

となり、当然一次エネルギー消費量も基準値の52GJを上回っています。

改修後の性能

続いて改修後の性能を計算します。
天井の断熱材を・・・窓の性能を・・・と部位ごとに性能を上げていけばいいのですが、今回は補助金をもらうにはどのくらいの性能UPが求められているのかを調べるための記事なので、結果から逆算していこうと思います。

改修後に求められている性能

前述しましたが求められている基準は
(改修前のエアコンの一次エネルギー消費量-改修後のエアコンの一次エネルギー消費量)/改修前の一次エネルギー消費量≧15%
です。
改修前のエアコンの一次エネルギー消費量と改修前の全体の一次エネルギー消費量は先ほど計算しました。
<改修前のエアコンの一次エネルギー消費量>(暖房と冷房の和)
27.7+2.3=30.0GJ
<全体の一次エネルギー消費量>
70.4GJ
(27.7-AEb)/70.4≧15%
AEb≧17.14GJ
となります。
つまり、改修後の空調一次エネルギー消費量(暖房と冷房の和)が17.14GJ以上になればいいのです。
ここで先ほど計算した一次エネルギー消費量を良くみると
暖房27.7GJに対して冷房2.3GJとなっています。
断熱性能としてはH11年基準に満たない仕様であっても冷房エネルギー消費量は少ないということです。
ハッキリと言えば、「断熱性能を上げても冷房エネルギー削減効果は小さい」ということです。

断熱性能を上げる

では、どの部位の断熱性能を上げるべきなのでしょうか。
これも計算結果から考えて見ます。
部位面積の小さい箇所の性能を上げても効果は同様に小さい傾向があります。今回の場合は、外壁の部位面積が大きいことと窓が部位面積の割りに貫流熱損失量が多いことが分かります。
計算結果から導かれるのは、「外壁」と「窓」の性能を優先的に上げるべし、です。

しかし、外壁部分の断熱性能を上げるということは、内壁または外壁を剥がして断熱材を入れ替えるまたは補填する工事が必要となります。これを建物全体で行うとなれば大規模リフォームとなります。
窓は「内窓」などリフォーム向けの商品があるので施工は現実的です。今回はあくまでも数字上の検証なので外壁と窓の改修を全箇所(計算が細かくなるので)として計算します。

改修後の断熱仕様
部位 素材 熱伝導率
天井 高性能グラスウール16kg/100mm 0.038
外壁 高性能グラスウール16kg/100mm 0.038
金属・樹脂複合サッシ+Low-Eガラス 2.33

Q値は

熱貫流率 面積 温度差係数 貫流熱損失
天井 0.36 48.25 1.0 17.37
外壁 0.51 149.48 1.0 76.23
0.82 48.25 0.7 27.70
ドア 4.65 2.76 1.0 12.83
2.33 22.48 1.0 52.39
合計 186.52

計算したQ値をWebプログラムに入れると

貫流熱損失 186052
換気熱損失 41.04
熱損失合計 227.56
Q値 2.33

続いて一次エネルギー消費量の計算です。

暖房 14.8
冷房 2.8
換気 4.1
給湯 24.7
照明 11.6
太陽光発電 0
合計 58GJ

リフォーム後の空調一次エネルギー消費量は
14.8+2.8=17.6GJとなりました。
逆算したAEbは17.14GJ以上でしたので、計算上クリアとなります。

※結果的には天井も仕様を変更しないとクリアできませんでした。

まとめ

サンプルモデルは築10年くらいの特に断熱設計に配慮されていない住宅の仕様です。リフォームであることから、施工性を考慮した設計とすると上記の計算結果を目安に個々の断熱性能を上げつつ、施工しない範囲を広げる必要がありそうです。
これがもっと築年数の古い建物であれば無断熱に近い状態となり、断熱リフォームの効果も飛躍的に高まりますし、築年数が浅い住宅であれば基準達成は高いハードルとなるでしょう。
若しくは、高性能空調機(エアコン)の評価も加算していく方法もあります。
ともあれ、我が家でこの補助金を受けようとすると結構な予算組みが必要ということが分かりました。

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