平成26年度省エネルギー技術者講習テキスト

H26年度省エネルギー技術者講習会

本日、平成26年度一回目の住宅省エネルギー技術講習会「設計者編」の講師を務めてきました。この講習会は、国土交通省が平成24年度から平成29年度までの5ヵ年計画で行っている事業です。平成30年度には、全ての新築住宅の省エネ基準適合義務化する計画となっていて、そのために20万人の省エネルギー住宅の設計・施工技術者を養成することを目的としています。

講習用のテキストは毎年改変されていて、より見やすく、より分かりやすくなってきていると思います。わかり辛かった理由として、前年度まではH11年基準とH25年基準の両方の解説をしなければならなかったということでしょう。講義内容では軽く触れる程度でしたが、テキストとしてはH11年基準も掲載されていました。来年の平成27年3月31日までは、H11年基準での評価・審査が可能な移行期間であるため仕方ありませんでした。
ですが、今年度のテキストはH25年基準で構成されているので講師としても非常に解説しやすいです。また、このテキストは非常によくできているので実務でも十分に活用できます。省エネルギー関連の計算や申請のマニュアル本は色々とありますが、H25年基準の肝である「外皮の計算」と「一次エネルギー消費量の計算」については、個人的にはこのテキストが一番分かりやすいと思います。テキストと講習費含めて2,000円~3,000円(終了証の種類によって変わる)なので、実務者の方は是非参加しておくべきです。市販の参考書は5,000円~と高いのでお得です。
で、肝心の講習の内容は以下のような構成になっています。

  • 設計者編
  • 施工者編

設計者編

省エネ計画と省エネ基準の概要

設計者編の講習前半は、省エネ計画の考え方とざっくりとした方法についての解説と地球温暖化の話から始まり何故省エネ化が必要なのか、ということを解説していきます。1時間程度の講習時間ですがかなり内容は多いので結構忙しい講習になります。

外皮性能の計算

この講習が設計編の目玉となります。H25年基準で最も複雑でわかりにくいのがこの「外皮性能の計算」です。この計算で外皮平均熱貫流率(UA)冷房期の平均日射熱取得率(ηA)を求めていきます。この計算を行わないと、「一次エネルギー消費量の計算」はすることが出来ません。この計算で求めた外皮熱損失量(q)冷暖房期の日射熱取得量(mC、mH)が必要になるためです。
この講習は1時間半近くありますが、計算方法についての解説となりますのでしっかり聞いていないと分からなくなると思います。

一次エネルギー消費量の計算

午後の講習は「一次エネルギー消費量」の計算についての解説となります。この計算は「webプログラム」というブラウザにあるプログラムで計算をすることができます。計算自体は、ほとんどプログラムが行ってくれるので入力する数値や選択肢について理解できていれば割と簡単に扱えます。ただ、講習自体はテキストで説明することになるので伝えづらい部分もあります。講習会場により、稀にパソコンを利用してプロジェクターで出力することができたりします。この場合は、実際の画面とその操作を直接見れるので非常に分かりやすいと思います。

計算演習と終了考査

終了考査の前に「外皮性能の計算」の演習問題を解きます。テキストに沿った問題なので、講習をちゃんと聞いていれば解けるレベルです。演習の解説の後、終了考査となります。考査もテキストから出題となるので、同様に講習をちゃんと聞いていれば解けます。ず~っと寝ているとチンプンカンプンで分からないでしょう(笑)。

施工者編

省エネ計画と省エネ基準の概要

施工者編の前半は設計編と同様の内容です。

施工DVDの視聴

この時間は、実際の施工方法などをDVDで視聴します。このDVD自体は施工編の受講者には参加資料として配られます。テキストの内容を上手く映像にまとめてあり、大切な内容がほとんどです。

省エネ施工の解説

この講習が施工編の目玉となります。午後一番の講習なので、受講している方も眠気がピークです。(笑)DVD視聴の内容を重複する部分もありながら、詳細に解説していきます。充填断熱から外張り断熱工法、断熱する部位も屋根・天井、外壁、床、基礎と全て網羅します。

実寸模型解説

1坪程度の大きさの実寸模型の解説の時間となります。これまで解説してきた断熱材の納まりを見て・触って理解してもらいます。模型は屋外又は半屋外にあるので、受講する時期によっては防寒着が無いと寒いです。

終了考査

施工編も最後に終了考査があります。設計編とは違い計算問題はありません。ちゃんと講習を聞いていれば分かるはずです。ず~っと寝ていると解けないでしょう(笑)。


 
設計編も施工編も内容が重複する部分もありますが、基本はセットで受講するほうがより理解しやすいと思います。どちらの講習にも言えることですが、たかだか1日の講習で全て理解するのは不可能です。それくらい中身としてのボリュームはあります。設計は、実際のプランを計算しなければ理解しきれないでしょう。施工編では、省エネ施工の原則を解説しているだけなので実際の施工現場ではその応用力がなければ対応できないでしょう。いずれにしても、今後の住宅建築に省エネルギー化は必須となるので一人でも多くの実務者の方に受講していただきたいものです。

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