FRPグリッド基礎補強工法、講習会、資料

FRPグリッド基礎補強工法

先日「FRPグリッド基礎補強工法」というコンクリート基礎の補強工法の講習会に行ってきました。この工法は耐震改修センター(財)日本建築防災協会の技術評価を取得している工法です。このような技術評価を取得していると、耐震改修工事などで国や自治体から一定の評価を受けるので補助を受けやすくなります。工法自体の特徴は以下の点です。(メーカーパンフレットなどより抜粋)

  • 耐震性に優れる
  • 施工性に優れる
  • 室外機・配管・雨樋等の移設が不要
  • 短工期で経済性に優れる

この工法はオープン工法ではありますが、利用に一定の制限があります。「設計者」は、建築士の有資格者・工法講習会受講者(今回の講習)・「木造住宅の耐震診断と補強方法」講習会受講者の全てを満たす必要があります。「施工者・施工管理者」は、工法講習会受講者(今回の講習)であることです。私は「木造住宅の~」講習を随分と前に受講した気がしましたが、登録先には記録が無いと言われてしまったので再度受講しないといけないようです。(テキスト代込みで4万円近くするので正直迷いますね・・・)

この工法の施工方法は以下のような手順となります。

  1. 既存の基礎表面の化粧モルタルを剥がしケレンがけをする
  2. FRP繊維を専用アンカーピンで固定する
  3. 専用プライマーを塗布
  4. 専用ポリマーセメントを塗り込む

いたってシンプルな施工方法ですね。ただ、前段階として現況の基礎が適用範囲内であるかの確認が必要です。以下確認事項です。

  1. 基礎立ち上がりの幅、高さ寸法の確認
  2. コンクリート強度の確認
  3. 鉄筋の有無の確認
  4. 換気口・クラック幅の確認

上記を確認して全てが適用範囲内の値・状況であれば、次は補強の設計作業になります。

  1. 「木造住宅の耐震診断と補強方法」による診断方法を用いて現況の上部構造評点を算出
  2. 補強計画で上部構造評点が1.0以上になるように設計
  3. 2で設計した内容を元に基礎の補強計画を策定
  4. 3に基づきFRPグリッド基礎補強工法の設計作業

・・・結構な作業工程になりますね。エビテンス(根拠)が必要なければ、施工するだけでも十分補強効果はあります。ただ、「地震が起きてもこの基礎(家)は大丈夫なの?」という問いに対して「大丈夫です!」と答えるためにはやはり補強設計しなければなりませんね。

1995年の阪神淡路大震災による6,000人を超える死者のうち8割以上が建物倒壊が原因とされています。このため、国は大地震の際に「建物が倒壊しない」(損壊はする)ことを目標に、建築基準法や耐震基準の整備を進めています。この工法が開発された経緯にはこうした背景があります。また、平成32年(2,020年)までには住宅の耐震化率を95%にする計画予定です。新築住宅の省エネ基準義務化と同じ時期ですね。

基礎補強、増し打ち、ベタ基礎、炭素繊維、FRP補強
基礎補強方法の一例

補強方法の比較のため簡単な図にしてみました。左から順に、「増し打ち工法」・「ベタ基礎工法」・「炭素繊維シート補強工法」・「FRPグリッド基礎補強工法」となります。(正式な工法名ではなく便宜的に付けただけです)赤で表示されている部分が追加された鉄筋やコンクリート、その他の部分です。

「増し打ち」「ベタ基礎」の二つの工法は元の基礎に鉄筋を挿し込み、立ち上がり又は耐圧盤の鉄筋コンクリートを追加する方法です。基礎の強度を上げる場合「増し打ち」が比較的多く行われ、「ベタ基礎」は床下の湿気(白蟻)対策のためにおこなうことが多い気がします。「ベタ基礎」工法の場合は、床を剥がしての施工となるので大掛かりなものとなりやすいです。部分的に剥がし鉄筋を入れない場合もありますが、この場合は補強の効果はほとんど期待できないでしょう。屋外の条件によっては立ち上がり部分の「増し打ち」も室内側となるため、やはり床を剥がしての大掛かりな工事となります。

残りの二つの工法は増える厚みが薄く外側に施工ができ、床を剥がさずに工事ができるメリットがあります。「炭素繊維シート工法」は、接着剤を使うため施工時に臭いがでます。高速道路や鉄道の橋梁など人が普段近づかない場所には適していますが、人が生活している住まいでは臭いが気になるところです。「FRPグリッド基礎補強工法」はポリマーセメントでFRP繊維を塗りこむので溶剤系の臭いはありませんので、住宅向きと言えます。また、この二つの工法は鉄筋を使用しないので錆による劣化が無いのも特徴です。(そのため塗り厚が薄くて大丈夫な訳です)

長期優良化住宅リフォームの案件などで活用できそうな補強工法ですね。

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