非住宅建築物の省エネ計算

住宅の省エネルギー性能の判定は、外皮の計算と一次エネルギー消費量の計算で行います。一方、事務所やビル、工場、ホテル、病院などの住宅以外の建築物(非住宅建築物)の省エネルギー性能の判定は、住宅とは異なる基準と計算方法により行います。住宅は、大半が木造で規模も30~40坪程度と大きく変わりませんが、非住宅建築物の構造は、鉄骨増・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造他と構造が複数あり、規模も300㎡(約100坪)の建物もあれば10,000㎡(約3,000坪)という大型の建築物もあります。今回はこの非住宅建築物の省エネルギー性能の計算について記事にします。

非住宅建築物の省エネルギー性能の計算は案件が少ないため、私の勉強ノートの意味合いが強い記事になります。

住宅と非住宅の相違点

住宅の基準と比較する以下のようになります。

住宅の基準 非住宅の基準
外皮平均熱貫流率UA

冷房期の平均日射熱取得ηA

年間熱負荷係数PAL*
一次エネルギー消費量 一次エネルギー消費量

建築物のハードの性能である外皮性能の計算方法が大きく異なります。細かい部分は別として、一次エネルギー消費量で設備の省エネルギー性能を判定するのは住宅と同じです。

年間熱負荷係数PAL*(パルスター)は建築研究所の提供する算定シート(Excel)とWEBプログラムにより計算して求めます。この算定シートはPAL*の計算だけではなく、一次エネルギー消費量の計算にも使います。それぞれ入力するシートが異なるだけです。以下に算定シートの構成を記します。

シート名称 PAL* 一次エネ
0.基本情報
1.室仕様
2-1.空調ゾーン
2-2.外壁構成
2-3.窓仕様
2-4.外皮仕様
2-5.熱源
2-6.二次ポンプ
2-7.空調機
3-1.換気対象室
3-2.給排気送風機
3-3.換気代替空調機
4.照明
5-1.給湯対象室
5-2.給湯機器
6.昇降機
7-1.太陽光発電システム
7-2.コージェネレーションシステム
8.非空調外皮仕様

PAL*と一次エネルギー消費量の項目それぞれを見ると住宅外皮計算との共通点を見出せます。

面積計算などのルール

非住宅建築物の計算も住宅の外皮計算同様に、面積や長さの丸め方にルールがあります。主なものは下記の通りです。

  • 床面積は小数点第3位を四捨五入し少数点第2位の値とする
  • 壁芯で壁の長さを測り床面積などを算出する
  • 外壁などの長さは小数点以下2位を四捨五入し、小数点1位までの数値とする
  • 室の階高は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までの数値とする(単位はm)
  • 外壁と窓の面積を方位毎に求める
  • 外壁・窓共に仕様が複数あれば仕様が異なる部位毎に面積を求める
  • 地下階の場合はドライエリアに接している空調室の外壁は外皮となる
  • 空調室と非空調室を分けて床面積を計算する

空調室以外は住宅の外皮計算とほぼ同じ内容です。

計算対象室など

非住宅の外皮計算では全ての室が対象とはならない場合があります。概略は以下となります。

  • 計算対象とならない室
    • 物品・サービスなどを生産するための室(工場等の生産エリア、業務用冷凍室など)
    • 防災、安全、防犯、避難などのための室
  • 計算対象とならない外壁、窓など
    • 温熱環境が外部と同等となる外壁など(体育館の外壁、屋内駐車場の外壁など)
  • 計算対象とならない設備
    • 非常時など特殊な用途のための設備
    • 融雪及び凍結防止のための設備
    • 売電のための太陽光発電設備(売電しない場合は計算対象とできる)

 

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